接着芯とは
接着芯は、洋裁において作品の仕上がりを左右する必要な材料の1つです。
接着芯も多種多様ですが、洋服作りということを念頭に入れ、その種類や選び方などをご説明しますのでご購入の際の参考にしてください。
芯地・接着芯の役割

芯地を貼ることによりイメージどおりの仕上がりにさせたり、表地だけでは不足している性能や機能を補う役割があります。
《その目的としては》
- 内側から表地を支え機能性を持たせることにより美しいシルエットを作る。
- 型崩れや着崩れを防ぐ。
- 型紙どおりに仕上がるように変形を防ぐ。
- 伸びやたるみやほつれなどが起きやすい場合に、それを防いで縫いやすくする。
- 厚みを持たせたり、硬さを与えて補強する。
芯地・接着芯の種類
芯地には、従来の手で縫いとめる芯地(接着しないもの)と接着して使う芯地がありますが、最近は、接着芯が主流になってきました。
接着芯とは、基布の片面(又は両面)に接着剤がついた芯地のことで、基布の種類(織物・編物・不織布など)と接着剤のつき方(完全接着タイプ・仮接着タイプ)の組み合わせで多様な接着芯がつくられています。
接着芯の選び方・貼り方
選び方のポイント

例えば、薄手の表素材に厚手や硬い芯地を貼ると表に響いてしまいます。芯地を選ぶ際にはその目的にもよりますが、表素材の種類・性質・厚さ及び使用箇所などを考慮して選ぶことが必要です。
当店にある多種多様な芯地の中から、洋服作りに適している物をお選びいただき皆様にご提供しております。
貼り方のポイント
接着芯を貼るときに重要なのが、温度・圧力・時間のバランスです。
- 1)温度 接着樹脂をやわらかくする。
- 2)圧力 やわらかくなった接着樹脂を生地に食い込ませる。
- 3)時間 温度・圧力のバランスで効果を高める。
▼ 温度
まず温度ですが、芯地自体の対応温度が140℃以下に作られています。芯地を貼るときは必ず130℃~150℃のアイロン温度(中温)で貼ってください。
接着しないからといって高温にすると接着樹脂が溶けすぎてしまい、表素材に樹脂の染み出しが起こるので注意してください。
※注意 素材耐熱温度が高温になっていても芯地の対応温度が150℃位までなので素材と芯地の対応温度を見比べ低い温度に合わせてください。
▼圧力
アイロンの熱でやわらかくした接着樹脂を生地に食い込ませるために圧力をかけます。
アイロンの上から両手で体重をかけます。(あたりの出やすいもの等、圧力をかけられないときは時間によって調節します) アイロンは滑らさずに移動してください。
▼時間
時間は温度・圧力によって変わってきます。標準的な中肉ウール・綿素材等で一箇所に付き10秒前後の時間をかけます。
圧力をかけられない素材(毛つぶれのおきる素材・ベルベット・シャギー等)は時間を長くしないと接着が上手くいきません。
反対に素材対応温度が低いもの(ナイロン系・ビニール系等)は接着温度が低いのでこの場合も時間を長くする必要があります。 (低温用の素材に貼る低い温度で溶けやすい樹脂が付いた接着芯地もあります)
以上3つのバランスにより接着芯を貼っていきます。
アイロン不要の接着芯「ノン・アイロンシート」

バイリーンの「ノン・アイロンシート」は、アイロンを使わずに生地に接着出来るシールタイプの接着芯です。
貼るだけで、記事に適度な張りと膨らみを出すことが出来ます。アイロンが使えない合成皮革やラミネート、起毛素材などにおすすめです。バッグやポーチなどの小物作りやミシン手芸に是非ご活用ください。